chpチームライダーインタヴュー

chpチームライダーに聞く!インタビュー

吉川共久プロ インタビュー

コンテストサーフィンだけにとどまらず、ハイパフォーマンスショートからトラジションまで自由自在に操り、
また国内、国外も活発に波を求めてトリップするフリースタイルの吉川共久。

彼にとってのオルタネイティブとは、トラジションを語る。

吉川共久の原点 “ボリュームのあるボードにしっかりのれること”

プロサーファー吉川共久インタビューHIKO/ DVD のオルタネイティブの影響は大きいね、電話の問い合わせやお店でも多くの質問をされるので今回聞きたい事がたくさんあるけど宜しく。
 
トラジションだけでなく昔からヨシは色々なボードを試すじゃない、何でも好き嫌いなく手にするよね、ズッチョなんかは車で例えたら F1 しか乗らないでしょ。でもヨシはどんなボードでも興味があるように、それはいつ頃からなの?

YOSHI/ 昔アマチュアの頃 ZH にいて、色々なボードに乗るように言われてました。
だんだんレベルが上がると F1 に乗りたいじゃないですか、薄いレール、シャープなボードに乗りたくなる、でもかなりレールにボリュームのついたボードで仕上がってきたりして(笑)。

プロサーファー吉川共久インタビューボリュームのあるボードでしっかりレールを入れられるよう、レールの使い方をマスターするよう教えられてたんです。おかげでそれが今の僕サーフィンにつながっているんだと思います。

HIKO/ なるほどね、ボリュームのあるボード、体重をしっかりのせられるサーフィンがヨシの最大の武器といえるカービングターン、フルレールのターンを生み出しているんだね。

倉庫にあるデッドストックのグンタローンの 4 フィン見つけては乗ってみたり、海で俺がハウイ調子いいって言うと 10 kgの体重差があっても試したり、とにかくサーフィンが好きというかサーフボードが好きというか色々なボードを何処からか借りてきは乗ってるよね。

トラジションに興味を持ったきっかけは何なの?

YOSHI/ 初めて乗ったシングルフィンのボードは知人から借りたティミーのディープチャンネルで、全然上手く乗れなかった、、シングルってこんなに難しいのかって思ってました。

でも随分前ですがスネヒザ波の日に先輩にシングルフィンを借りたんですね、レトロではないけど昔のタイプの浮力のあるシングルフィンのボード、これが凄い楽しかったんです。

アップス程度が限界の波なのにびゅんびゅん走れて、波との一体感を感じれた、でも良い場所を走らないといけないのもわかる。それからはまりましたね。

レトロシングルについて “ポケットサーフィンが学べるボード”

HIKO/ もう 1 年半位前になるのかな、ヨシがこのボード調子いいから乗ってみてくれってサーリッジのボードを持ってきたよね。マチャドがシングルの自分のモデルをつくるきっかけになったエンシニータスのシェイパーだって。

フィンのマッチングが悪くて、波も頭前後かな、結構パワーのある日で俺は上手く乗れなかったけど。
このボードがきっかけで市朗さんと開発がスタートしたようだけど、かなりチューニングされてるよね、サーリッジのコンケーブは凄く深かったようだけど、、

YOSHI/ 5 ' 10 ” を最初に試して長さが必要ないように感じたので 5 ' 8 ” にしました。自分にはこの長さがぴったりきて、コンケーブは浅めの方がスムーズだったので浅めのダブルにしてもらいました。アルバトロスは大きくクルーズするボードですけど、 5 ' 8 ” のレトロシングルは思ったよりコンパクトなターンができるんです。

シングルは滑るポジションがとても重要ですからポケットを外すと駄目、でもコンパクトなターンができるからビーチのコンパクトな波でもポケットサーフィンがしやすい。波にフィットしてずっとひとつのターンをしている感じが気持ちいいですね。
プロサーファー吉川共久インタビュー

HIKO/ どのような波、どんなサイズがお薦めなの?

YOSHI/ 長さは 5 ' 7 ” 〜 5 ' 8 ” 位、ワイドが 50 cm、厚みは 5.8 cm位がいいと思います。僕が 68 kgなので軽い人はもっと薄くするといいです。 波は膝波から頭位まで、頭越えるときついかな、、波質は面が整っているほどいい。厚い波、フラットなフェイスより掘れた波、ポケットがはっきりした波に最適です。

以前モルジブで頭位の形のいい波で使用したんですけど、リップからカットバックと全ての技がひとつのターンでつながって最高に良かったんですね、その後トライに変えたら全て自由自在でした。シングルはポケットから外れると全然駄目だから、いるべき場所がはっきり解る。ポケットサーフィンを学ぶのにいいしトライのサーフィンも凄く変わってきますよ。

ツイン吉川モデルについて “力を抜く事が大切なんです。”

HIKO/ ツインはどう?ヨシのモデルはスタンダードのレトロとは全然違って小波だけでなくオールラウンドに使えるようだけど、特徴を教えてくれる ?

YOSHI/ ショートボーダーが使用するフィッシュとしてお薦め。 ボリュームもほどほどに抑えていてロッカーも強め、パフォーマン性の高い攻めれるフィッシュです。

シングル同様、波の面がいい時に使用したいですね、波のサイズは小波から乗る人それぞれのマックスサイズまで使用できると思います。今までの僕のマックスサイズはレイキーピークの 6 フィートですがターンはまったく危なげ無くしっかりホールドしてくれて最高でした。
高さ的にはもっといけるんじゃないかな?小波だけでなくサイズのある波も是非トライしてほしいですね。

HIKO/ フィンにつてはどう?新しいフィンにそろそろ変わるけど、

YOSHI/ フィンも色々試しました。以前はアルやラスティーとかサイズのある日は大きめのフィンにするとか、その日の波に合わせて付け替えていました。
昨年、工場長が使用しているフィンを貸してもらって、これがよかったんです。このフィンと出会えてからはまったく変える必要が無くなりました。

もちろん市郎さんのデザインしたフィンなんですけど以前のフィンよりベースが広くなっていて安定感が増しました。
テールをルースさせたり流れてもリカバーしやすくなりました。キールフィンとかはタイトなターンはきついけどクルーズするには楽しい。新しいフィンは FCS からもリリースされるので宜しくお願いします。

HIKO/ ヨシのサーフィンに憧れてツインを手にした人も多いけど、実際上手く乗りこなせない人もいると思うのね。
推薦サイズや乗りこなす為のアドバイスをもらえるかな、

YOSHI/ 力の出し入れを意識することが重要です。
力を抜いた時に加速するから、ターンで力を入れた後、力を抜くことが大切なんです。

それとポケットにいること、すべるポジションを意識すること、これはシングルも同じでガツガツやると波が読めない、力を抜いてサーフィンすると波がもっと見えるようになってくると思います意識することでだんだん変わっていきます。力をいれ過ぎずリラックスして楽しんでください。

サイズはショートボーダーなら短くていいと思います。 5 ' 5 ” 〜 5 ' 7 ” 位、ワイド 50cm 、厚みは普段のショートと同じか 1 ミリ位気持ち薄くしてもいいかな、僕で 5 ' 6 ” x50cmx5.7cm です。
海でフィッシュを使ってる人を最近良く見かけますが、乗ってからコントロールしにくそう、、ボードが大きすぎるように感じます。クルーズだけならいいですけど、大きすぎるから取り回しが難しいのでは?僕的には短くていいと思います。
ツインの良さは体重移動、力の出し入れが学べるしトライで楽しめない波でもファンサーフできるとこ、ツインが扱えるようになったらトライのサーフィンも大きく変わると思います。

クアッドについて “扱いやすいからトラジション入門にいい”

HIKO/ レインボーのパベルのクアッドよかったよね、俺にはでっかい乗り物だったけど良さは十分に解った。
面のいい膝腰の波で使用したけどターンののびとかドライブ感は凄かった、でもノーズのはりとかボリュームが邪魔、頭でっかちで、、ヨシも同じこと言ってたよね、

YOSHI/ そうそう、ノーズのボリュームが気になりましたよね、前足からテールが凄くいい感じで、

ノーズは要らないって(笑)、、で色々市朗さんにお願いして結果的には結構シャープな感じに仕上りました、けっこう攻めるボードに。
プロサーファー吉川共久インタビュー

HIKO/ クアッドはシングル、ツインと比べてどのように違う?特徴とか、、

YOSHI/ ツイン、シングルに比べて波のフェイスが多少ざわついていても乗りやすく、一番波質を選らばないですね。
操作性はツインよりもどちらかと言えばトライに近いと思います。ツインに比べて安定性もあるし、フィンアウトしてしまうポジションでも安定して技がかけられるし縦の動きもできます。

クアッドは操作しやすいからトラジションの入門にお薦め。ツインが難しい人には、まずトラジション独特のフォロー感をクアッドで学び、より基本を学びたくなったらシングルやツインに移行するのもいいのでは。

HIKO/ シングルやツインはポケットにいないといけない、でもクアッドは結構どこでも走れちゃうでしょ、優しいからこそ気をつけないといけない、

YOSHI/ そうですね、ポジションがないがしろになりがち、乗りやすいことがメリット、デメリットになるかな、そこは気をつけたいですね。推薦サイズは幅、厚みはツインの推薦サイズと同じで長さを 1 インチアップ位がいいと思います。

トラジションの魅了 “横のスピード感が気持ちいい”

HIKO/ 長々ありがとう。最後にトライショートと比べてトラジションの魅力、付き合い方について教えてくれる?

YOSHI/ トライショートは縦のサーフィンですよね、縦のスピード感ってきついというか技を掛けている方も大変なんですよね、でもトラジションは横のスピード、横のスピードというのは力を抜いて無理していない状態だから一番スピード感を気持ちよく感じれるんです。
クアッドは縦と横両方のスピード感を兼ね備えているけど、横のスピード感、気持ちいいフロー感がトラジションの魅力だと思います。

トラジションにはまるとそればかり乗ってしまう人も多いいですよね。色々なボードがありますが、やはりサーフィンのスタンダードはトライだと思います。トラジションだけに頼ると甘くなってしまうところがある、だからトライもちゃんと乗ってほしいですね。例えば朝は面がいいからツイン、午後風が吹いてきたからトライと同じ日に使いわけるのもいい。結構面の悪い日に辛そうにトラジションに乗っている人を見ますけど、きついですよね、無理しなでそのような時はトライに乗ればいいと思います。

波を選ぶには限界があります。トライの他にトラジションが 1 台あればサーフィンの幅も広がり、上達にも役立ちます。是非自分にあったトラジションを見つけてサーフィンの楽しさを広げてみてください。

 

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